< 遺言の種類と方法 >
遺言には、大きく三つの種類があります。
① 自筆証書遺言
② 秘密証書遺言
③ 公正証書遺言
① 自筆証書遺言というのは、文字通り、自分で書いて残すというものです。一番手っ取り早いともいえるのですが、必ず以下の四つの様式を備えていなければなりません。
(1)直筆であること……ワープロやパソコンで作成したものではいけません。もちろん、他人が書いてもダメです。必ず自分の手で、書いてください。
(2)日付が書いてあること……何年何月何日と、遺言を書いた日付を入れてください。「昭和57年10月吉日」と書いて、遺言が無効とされた判例があります。
(3)署名
(4)捺印……認め印でもかまいません。
他にも細かな注意点はあります。遺言は一人でしなくてはなりません。夫婦で一緒に遺言、というのは、いくら仲のよいご夫婦でもダメです。また、自筆というぐらいですから、当然ビデオや録音などでもダメです。
できあがったら封筒に入れ、死後発見されるようなところにしまっておくか、信頼のおける人に預けておくとよいでしょう。封筒の上には「遺言」と書いておくと、間違えて捨てられずに済むことと思います。
以上のように、手っ取り早いのが利点なのですが、死後せっかく遺言が出てきたのに、要件を満たしていなかったとなると、後の祭りです。ぜひ専門家によるチェックを受けることをお勧めします。
また、せっかく遺言しても、相続人間の思惑によって、「これは本当に本人が書いたものなのか」という争いが起こりがちです。その心配がある場合は、③の公正証書遺言になさることをお勧めします。
※ 自筆証書遺言は、死後発見されたら、開封する前に、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。
② 秘密証書遺言は、遺言はしたいが、内容については自分が死ぬまで秘密にしておきたい、という場合に用いられます。
遺言を書いたあと、遺言者が署名・捺印し、封筒に入れて、遺言に用いたのと同じ印鑑を使って封印します。それを公証人と、二人以上の証人の前に提出して、必要事項を書き留めるというものです。自筆証書遺言のように、自筆である必要はありませんので、ワープロ等を使用することもできます。
しかし、公証人によれば、この方式が用いられることは非常にまれだそうです。ほとんどは、次項に述べる「公正証書遺言」で足りてしまうからのようです。どうしても秘密証書遺言を作りたい、という方は、どうぞご相談ください。
③ 公正証書遺言は、遺言者本人が考えた内容を、公証人の前で口述し、それに基づいて、証人二人の立ち会いのもと、公証人が作成する、というものです。作成した遺言の原本は、公証役場で一定期間保管されます。
公正証書遺言のメリットは、その真正さです。公証役場での本人確認は厳格になされ、偽造される恐れがありませんので、死後、本当に本人が遺言したのかという争いの余地がありません。また、家庭裁判所での検認は不要です。
※ その他、臨終が近い場合の遺言、伝染病隔離者の遺言などの方式もあります。詳しくはお問い合わせください。
