< 遺言書はなぜ必要か >

自分の死後について、考えてみましょう。

 縁起でもない!と思われるかもしれませんが、人間はいつか死ぬものです。先立つほうは、最愛の家族に見守られ、「自分の人生も、悪くはなかったなぁ」などと悦に入りながら、天に召されていくのかもしれません。

 しかし、大変なのはあなたを見送ったご家族なのです。

 一人の人間が亡くなると、その瞬間に相続が発生します。あなたが住んでいるのがあなた名義の持ち家だったら、あなたが亡くなった瞬間に、あなたの相続人たちの家となります。これは家に限らず、あなたが残したもの全てに言えることです。

 しかし、これは法律上の概念的な話です。実際には、財産一つ一つを相続人全員で共有することは不可能ですから、誰が何をもらう、という遺産分割協議を行って、分け方が決まったら、それぞれの持ち分が、あなたの死亡時に遡って、もらう人の固有の財産となります。そしてやっと、実際に名義を変更したり、お金を分配したり、動産(物)ならばそれを引き取ったり……という事務的な処理がなされるわけです。

 事務処理は、まあ面倒くさいけれど、一つ一つこなしていけば、いつかは終わるもの。自分でやりたくなければ、専門家に丸投げすることもできます。

 しかし、一番大変なのは、遺産分割協議、つまり「誰が何をもらうか」という遺産分けの話し合いをまとめること。

 「ワシの家族が、金だの家だの、そんなことで喧嘩するはずなんて、絶対にあるわけがない!」と思っている、そこのあなた。本当にそうでしょうか?

 実際に分けるべき財産を前に、話し合いの場を持ってみると、「私はお父さんが病気になってから、ずっとお世話してきたんだから、みんなと同じじゃ不公平です!」なんて言う人が出てきたり、「お兄さんは、家を建てるときに随分お父さんから援助してもらったじゃないの!」と言う人が出てきたり。「あの土地はほしいけど、こっちの家は二束三文だから要りません!」なんて言う人も、出てくるかもしれません。

 さらには、どこかに親戚づきあいのない相続人が隠れていたりして、残されたご家族が仰天する、なんていうことも……。

 みんな、遺産分けなんていう話し合いをしなければ、ずっと仲のよい家族でいられるのかもしれません。

 あなたをめぐる人間関係の濃淡が、遺産分けのときに出てかまわないのです。しかし、話し合いの場に、あなたはいません。さあ、困った! そう思って口出ししようにも、あなたは既に雲の上……。

 そんなあなたの気持ちを、残されたご遺族たちに伝えるのが、遺言なのです。

 

トップページへ戻る
 不動産相続・土地相続登記専門サイト
トップページへ戻る
 不動産相続・土地相続登記専門サイト